通年

全国道路街路交通情勢調査は詐欺?回答しないと罰則があるの?謝礼はもらえるの?

身に覚えのないハガキや手紙が来ると、
個人情報の漏洩や、詐欺を疑ってしまいますよね。

先日私のところにも
「全国道路・街路交通情勢調査 自動車起点終点調査」
という、A4(角型2号)の封筒が届きました。

封筒の表面には「政府統計」「重要」の記載があり、
裏面には「国土交通省」の記載があります。

普通自動車免許を取得して20年以上経過しますが、
このような封筒が届いたのは初めてでした。

そこで「全国道路・街路交通情勢調査」は回答しないといけないのか、
回答しないことによる罰則があるのかどうか、
回答することによる謝礼などが発生するのかどうかを調べてみました。

全国道路街路交通情勢調査とは何?

全国道路街路交通情勢調査には、2種類の調査対象があります。

  • 一般交通量調査:道路の状況と断面交通量及び旅行速度の調査を行う
    5年に一度、原則として秋季(9月~11月)の平日1日に調査
  • 自動車起終点調査:自動車の運行状況などを調査する
    5年に一度、原則として秋季(9月~11月)の平日1日及び休日1日に調査
    ※調査日は送られてきた書類にすでに印字されていました。

本来であれば2020年に実施される予定だったようですが、
私のところに調査の封筒が届いたのは2021年12月(冬季)でした。
新型コロナ感染症の影響で、実施が延期したようです。

街中でカウンターを使って、カウントしている人を見かけることがありますが、
「一般交通量調査」の中の「断面交通量の調査」を行っている人達なんですね。

なお、この「断面交通量調査」の人手による測定は辞めることが決定しており、
2021年に実施された調査では、すでに国の直轄管理の道路での調査員は廃止されたということです。

現在の情報通信技術を用いたほうがより正確なデータが得られるということと、
人件費削減のためのようですね。

あの寒空の中に、パイプ椅子に座ってひたすらカチカチと
カウントしている姿を見ることもなくなるのかと思うと寂しい気もしますが。

IT化が進んでいる21世紀にしては原始的な計測方法だったので、
情報通信技術が活用されるというのは、至極当然の流れのようにも思えます。

そして今回届いた自動車起終点調査は、
対象車両の所有者又は使用者に対して、郵送・Webを併用して調査することとなっています。

『全国約8,000万台の自動車の中から、地域や車種のバランスを考慮した、無作為抽出の結果、調査対象として選ばれた』
ということですので、運が良かったのか悪かったのかは、受け取った本人の気持ち次第…といったところでしょうか。

全国道路街路交通情勢調査の目的は何?

全国道路街路交通情勢調査は
『昭和3年から実施されている調査で、道路交通の実態を把握し、
道路の計画、建設、管理などについて基礎資料を得ることを目的として、
全国一斉に自動車の利用実態に関する調査』
を目的としているそうです(令和3年時)。

道路の管理って、このような情報を基に実施されているんですね。

全国道路街路交通情勢調査は義務?無視した場合に罰則はあるの?

今回届いた封筒及び書類には「ご協力のお願い」となっていました。
つまり、「絶対的に協力しなければならないわけではない=義務ではない」と解釈できます。

総務省の統計制度内の基幹統計一覧には53項目がリストされていますが、
全国道路街路交通情勢調査は掲載されていませんでした。

国土交通省管轄の、基幹統計一覧は9項目(2022年1月時点)

  • 港湾統計
  • 造船造機統計
  • 建築着工統計
  • 鉄道車両等生産動態統計
  • 建設工事統計
  • 船員労働統計
  • 自動車輸送統計
  • 内航船舶輸送統計
  • 法人土地・建物基本統計

総務省|統計制度|基幹統計一覧 (soumu.go.jp)

基幹統計調査の場合は、
報告義務が課せられますが、
全国道路街路交通情勢調査は対象外と言えます。

報告義務とは:基幹統計調査に対する正確な報告を法的に確保するため、基幹統計調査の報告(回答)を求められた者が、報告を拒んだり虚偽の報告をしたりすることを禁止しており(第13条)、これらに違反した者に対して、50万円以下の罰金が定められています(第61条)。
(総務省よりホームページより引用)
総務省|統計制度|統計法について (soumu.go.jp)

なお、似たような名前で『自動車輸送統計』という項目がありますが、
国土交通省のホームページでも『全国道路街路交通情勢調査』とは
別項目で取り扱われています。

『統計』と『調査』で異なりますので、報告義務対象外と判断できますね。

全国道路街路交通情勢調査に協力した場合に謝礼はあるの?

謝礼はありません。
あくまで善意で協力してくださいね、というスタンスのようです。

全国道路街路交通情勢調査は郵送よりもWeb回答がおすすめの理由

突然届いた『全国道路街路交通情勢調査 自動車起終点調査』の封筒の内容を見ると、
回答内容がかなりのボリュームなので、
答えたくないと思う方も多くいらっしゃると思います。

実際にWebで回答してみたところ、
平日と休日2日分の利用状況の回答で、
20分程度の時間を要しました。

書類だとかなりのボリュームに見え、
実際にどこに記入していけばいいのか…と思ってしまいましたが、
Webだと割と簡単に入力できます。

回答に不整合がある場合、すぐにエラーメッセージが出るので、
修正がすぐにできるんですね。

スマホやPCに慣れている人であれば、Webでの回答がおすすめです。

全国道路街路交通情勢調査のまとめ

全国道路街路交通情勢調査は任意の調査であり、回答しても謝礼は発生しません。
また、回答しなかったからといって、何らかの罰則があるということもありません。
回答する内容のボリュームもあるので、回答が面倒と思う方もいらっしゃるでしょう。

ですが、自動車起終点調査の依頼が来たということは、
自動車のオーナーや使用者であるということですので、
自分たちが使う道路のために、たった2日だけの情報を提供するということも
悪いことではないのではないでしょうか。
(使わなかった日は、使わなかったと報告するだけですので。)

詐欺が増えている昨今、
身に覚えのない封筒が届くと不安になることもあるかと思いますが、
「全国道路街路交通情勢調査」は国土交通省が行っている正式な調査ということだけでも知っていただけるといいかと思います。

-通年